《ぶらり旅》

アグラ偏 その2



赤砂岩で作られた、世界遺産 「アーグラ城塞」は、名前のとおり、見上げんばかりの城壁を
備えた堅牢な城塞だ。ムガル帝国、第3代皇帝アクバルが建設し、第6代皇帝までの4代で
増強され、中には宮殿、モスク、庭園などがあり、一つの都市としての機能を持った、広大な
ものだ。城の守りを高める為、城壁を二重にする等、そのため いくつもの門をくぐらないと、
宮殿には、辿り着かない。強靭な足腰と、熱さ対策をしていかないと、回りきれない。城塞の
外門を入り、写真の中にある内門・・・これだけでも、攻め入れない。防衛には充分だ。  



見るからに堅牢そうな造り、植物の緑を見てほっとする。



最初の防衛線はこの坂。左写真は下から見たもの。中央の写真は上からのもの、高い壁
がそそり立ち、雨水がたれ落ちる穴が壁面所上部に等間隔にある。これは敵の襲撃時に
この穴から、油と水を混ぜて流し、滑って上がれないようにする為。左写真が普段は上の
階の雨が落ちる穴で、戦時はここに油と水を流す。                       



宮殿が芝生の中に両腕を広げるように建っている。前の緑は四分庭園。



宮殿の前に置かれた、石の大きなお椀、遠征で王が不在の時、女性たちが、これに水を入れて
浸かり、楽しむ為のもの。中央と右の写真は、宮殿の入り口と壁の装飾。             



鴨居受けも、丁寧な彫刻がされ、当時は美しさはに、眼を見開いたろうと思う。



中の入ると、石畳の中庭があり、建物は石で作られているとは思えないほど
細かい彫刻が施され、整然としている。物見櫓が要塞であると語っている。



ペルシャとヒンドゥーの建築様式を取り入れた、ほんとに精細なものばかり
左下の写真は、男性用の水浴び場とか、周囲の襞はいったい何の為? 



さらにもう一階上がると、屋上?に出る。この辺りまで来ると、今何処にいるのか迷ってしまう
次のゾーンに行くと、そこは 白大理石の建物に変わる。そうです、あのタージ・マハールを建
てた、シャー・ジャハーン王が 赤砂岩の建物を白大理石の建物に作り変えた為です。広い庭
を囲む建物は妻たちの居所です。当時は庭には葡萄が植えてあったとか。          



幽閉されていた、シャー・ジャハーン王はここから、タージ・マハールを眺めていた
右橋の写真の出っ張っているのが「囚われの塔」、晩年過ごした思いは・・・   



内部の装飾も、幾何学文様を取り入れる等、又他とは違った趣がある。



天井の文様、私には持ち合わせのない構図だ。右の写真は二重になった塀が見える
外側に水が入った堀があり、高い壁と建物の間には、毒蛇や猛獣を放ってあったとか




中央の写真は、噴水が出て水が入っていた。その向こうの部屋が、王が幽閉されていた所
柱には、宝石を埋め込んだ装飾がされている。                           



王が幽閉されていた部屋。



この辺りは、全部白大理石。塀は透かし彫り。柱は二本と三本の組み合わせ。



四分割された庭園。グリーン部分も幾何学文様で仕切られています。



中央正面が、王の居室。広い庭園を眺めながら・・・。中央の壇では何が?



広い庭があって、周囲に回廊がある所に出ました。ディーワーネ・アームと言って
「一般謁見の間」のことで、皇帝が一般大衆からの意見に耳を傾ける場です。 
ここでガイドさんが、実験をしてくれました。この白い建物の中から、話をすると距
離が離れているのに、すぐ傍で聞いているように 聞き取れるんです。これには驚
きました。この庭で聞き入っている大衆に、王の声が直接聞けるのです。マイクが
無かった時代に、すごいことです。やはり、インドは一味違います。         



回廊のほうから見た建物です。王様が大衆とお話をするという、治世の
大切な原点が息づいている、そんなインドは素晴らしい。右写真の車は
滞在中運んでくださったもので、バンバーの下の部分に、黒いものがぶ
ら下がっているのが見えますか?これは、車の前後に4ヶ所取り付けた
「魔除け」です。紐に唐辛子等をくくり付け、紐を房のように束ね、吊るし
てあります。そして毎週土曜日、午前中に取り替えます。プロドライバー
は、ほとんどしている とのことです。お陰で、怪我もせず、スーパードラ
イブテクニックで、過ごせました。                      

最後になりましたが、直接お世話くださった現地のガイドの通称スーさんと
名ドライバーのWスーさんに、心から御礼申し上げます。そしてこの旅に陰
で支えていただいた皆様に、感謝致します。ありがとうございました。   


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