《ぶらり旅》

☆ モンサンミッシェル その2 ☆



この尖塔が、はっきり見えるところまで 登ってきて、気付いた事は
軍事建築の代表例としての価値と、歴史的な変遷を経て、培われ
ている、フランスのアイデンティティーの象徴としての、意識の空間
をも備えていると言う、建物の姿の美しさだけではないな?と・・・・
そのあたりを自分なりに、検証しながら、内部観光に向かいました
天ぺんには、大天使 「ミカエル」の立像があります。画面右を向い
て、翼を羽ばたかせ、右手に剣をかざし、左手には、天秤を持って
悪魔を追い払っているように、見えます               



観光客の入り口はここです。いきなり急な階段から始まります
登ったところには、切符提示のスペースがあり、出入口も小さ
いものです。これでは攻め込めませんね            



左の写真は、ゲートを通過出来る人数に、制限があるため、待っている
観光客です。真ん中と 右の写真は、押し合う事無く、整然と階段を登る
様子です。いづれにしても、下手に攻め込むと全滅する設計です   



修道院と言うより、やはり要塞ですね。今にも鉄火面が出てきそうです



建物の概観が違うのは、幾度も建て増しされ、その折の歴史的背景に
影響されているんですね。踊場には、水道のガランが、壁から突き出し
て、何に使われたのでしょうか?                      



海の中にあった、ピラミッド型の山を包むように、幾度もの建て増しを
経て、今日の「素晴らしい建物」になったとの事。斜面に建てたため、
高度な技術が駆使され、建築的にも素晴らしい遺産と言える    



無駄なものが無い、シンプルな建造物。その中で左の建物、テラスの
飾り柱に日差しが当たり、4人の影絵が立ち並んでいます      



最上階の建物の正面、なんとなく教会の趣が残っています。このテラス
からは、湾を見下ろし、ブルターニュからノルマンディetcが見渡せます



内部の観光です。すごく高い天井、半円状の天井は木製です
両側の壁と壁を、太い柱ががっちり支えています。アーケード
の上に階廊席、その上に高窓がある、3段階の建築様式です



修道院の付属教会として、ここでミサが行われました。正面のドーム
とアーケードからの日差しが、内部を明るくしています       



この壁面と人物を比較すると、建物の大きさが分かります



シンプル イズ ベスト!全体の色調と、柔らかい陽射しの空間
このドームの前で浸っていると、心が癒されて行きます    



アーケードの下に入ると、この暗さ、明暗がはっきりしています



ドームを背にして振り返ると、付きあたりの壁には、大きな明かり取り
の窓が。この像は「大天使 ミカエル(サン・ミッシェル)」 中世の宗教
的観念に置いて、天使の軍団の長であり、悪魔の象徴 である龍を打
ち倒し、来世に不安を抱いていた、人々の魂を 癒したとされています
伝統と一般信仰が、ミカエルを騎士団長とみなす一方で、兵器と天秤
に関係した商業も発展させたので、崇拝観念が定着しました    



このような、合掌形の天井もあります。右は修復済みの様です



教会の隣にある列柱廊は、かっては祈りの瞑想の場でした。スペインの
アルハンブラ宮殿の中庭を思い出しました。最上階のここから各部屋に
繋がっています。見る角度により、いろいろと変化します。陽射しを受け
緑が綺麗で、下階と中間階の薄暗さに比べ、別世界です       



ずらして、二列に組まれた支柱は、視覚効果を演出します



いろいろな、装飾文様、透かし彫りがとても綺麗です



二列の支柱の真ん中から見ると、明暗のコントラストが見事です
壁側のステンドグラス、明かり取りにも模様入り         



床は三角形タイルのモザイク。支柱に使用されている石材の色も



T字形の梁は、両壁と天井の真ん中の三点をがっちりグリップ。タイルの
模様、いろいろ。黒と茶の使い分けがいいですね             



下の階に下りるには、この薄暗い階段を通ります。灯りとりの窓です



漆喰の白と、石積の壁の色あわせが、空間を膨らませています



天井の曲線と、床の長方形の石畳み、いいですね!



肉眼では、殆ど見分けにくい暗さです。画像処理しました



この水車の輪みたいなものは、中に人が入り歩くと、ロープが巻き上げ
られ、窓から下に吊るした、鎖にくくられた荷物を持ち上げます。これは
監獄として使われていた当時の、食料等の搬入口でした       



建物内の通路は、暗闇同様で、現代人のように至る所に、照明があり
その生活に慣れている者には、見づらいのでしょうか         



僅かの明り取りだけです。真ん中の写真は山の岩盤がそのまま建物の
一部として使われています。ストロボをたかないと見えません     



螺旋状の階段ですが、私の目には真っ暗で、壁をさすっておりました
写真で見て始めて,こんなになっていたんだと、分かりました。  

「モンサンミッシェル」それは、私なりに結論が出ました。それは、絵画
的には、日中と夜の シルエットの違いや、潮の干満による、そてぞれ
の表情が優れていて、見る者に夢を抱かせるという事が、まず第一に
なるが、もう一つの心の面が、歴史の中で 多様な運命を経て、その時
代に生き続けた、その息遣いが、建物のそこここに残っていて、大げさ
に言えば、フランス国家の、アイデンティティを、感じさせる からではな
いかと思うのである。私は観光を終えて、フランスの国旗の意味を深く
受け止める事が出来ました                        


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