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「うつくしきもの」 |
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四季折々の花を庭に咲かせ、花を見ることが好きな私のため。 玄関、居間、トイレには、一日たりともお花を欠かしたこともなく、 いつも私の時間に合わせ、温かい出来立ての食事を作り、 脱線しかかるとやんわりチクリと針をさし、 私の健康管理のドクターとして、 自分の痴やストレスを表に出さず、 常に私のやりたいことを熟知していて、 それとなく仕向けてくれる。 今まで家を省みず仕事の鬼として生きてきて、 ワンマンで偏屈で聞く耳を持たず、決して良き夫でなかった私は 今女房殿に感謝し、得てきた功績と勲章をそっくり女房殿に 改めて渡し、この「うつくしきもの」を今度は女房殿に捧げよう。 このような日々を迎えることが出来、 「幸せのなんたるか」を知らしめさせてくれたのは、 結婚以来、日々陰になり尽くしてくれた女房あってのこと。 なのに、今まで全てを仕事優先で粗末に扱い、 お宝と気づかなかった私は、愚かさと、恥ずかしさでいっぱい。 でも、これからは胸を張って、生きてゆける。 女房と二人三脚で。 私は、おお馬鹿者だけれど、幸せ者です。
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