《ぶらり旅》

* 台南 赤嵌楼・延平軍王祠 *



台南は、明の時代に漢人により開発が行われた。その後、オランダ人が
明との争いで、この地の割譲を受け、商館や砲台を築城。その後漢人の
鬱憤暴発を防ぐため、プロヴァンティア(普羅民遮城)を構築。弾、水、食
料を備蓄して、防衛拠点とした。当時はオランダ風のレンガ造りの建物で
漢人は『赤崁楼(これが本来の字)』又は『紅毛楼』と言った。      
その後、大陸からやって来た 鄭成功がオランダ人を追い出し、東都承天
府と改め、台湾全島の最高行政機関として統治した。          
その後、反乱や地震等で、周囲の城壁を一部残すだけに荒廃した。台湾
総統府により、修復が何回もなされ、現在の外観となった。      
そう言う歴史を刻んだ台南ゆえ『台湾の古都』と言われている。    



台中から台南への道は、先の台風で大被害を受けたが、復旧が
幹線道路は、ほぼ終えているが、付近は 爪跡がまだ残ったまま



赤嵌楼の入り口、この看板は『崁』でなく『嵌』になっている
1階には、修復の展示物などがある。           



建物の外、左奥にオランダ時代のレンガ塀が、僅か残っている
レンガは石灰、砂糖、もち米で出来ており、非情に固い。この地
域の伝統的なものらしい。                     
この石像は、日治時期の台南市長 羽島又男氏で、大変功績が
あったので、現地の人が感謝の気持で造ったもの。展示台の傍
に控えめに置かれてある。                     



やはりお城だから、抜け穴が造られている。



鄭成功が、降伏したオランダ人に、謁見している場面。英雄である為
こうした像が建てられた。 隣接の公園には、馬上の凛々しい鄭成功
の石像が建っている 。                          



鄭成功が祀られている、明延平郡王祠の廟門。横の庭には
生きているような、龍の噴水がある、素晴らしい。      



『鄭成功文物館』と、『前無古人』と書かれた門がある。落ち着いた佇まい。


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門の周囲には、ガジュマロの木が生茂って、庭の手入れが行き届いている。



門を入ると、始めて見るヤシの木が、根っこを浮き上がらせて生えている
ヤシの木は数種類あって、それぞれ特徴があるそうだ。         



左右の回廊に囲まれて、鄭成功が祀られている正殿がある
この奥に母親や一族が祀られている後殿がある。    



正殿の入り口には、なるほどと思う、『振興中華』の文字が
掲げられている。回廊には歴史的文物が展示してある。



若くして亡くなった、『明延平王(鄭成功)』の像は凛々しく、今だ
君臨しているようだ。没後すぐに、民衆によって建立された。 



天井画、見ていて飽きが来ない。優しさの中に権威がにじんでいる。



祭壇の彫り物といい、額の飾りといい、はつらつとして見える。



後殿にある、母親の輿と祭壇、写真。像の顔料は 剥げ落ちているが
横に架かっている画を見ると、かなりの才女と窺える。母親は日本人
で、鄭成功も7歳まで、日本にいた過去がある。           


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